昔の手帳から出てきたもの
部屋の片づけをしていたら、昔の手帳を見つけました。
もう捨てようかなと思い、手帳カバーにはさまっていた紙類をひとつひとつ取り出していると、出てきたのは1枚の名刺。
それは、数年前に同じ職場を退職した女性の先輩がくれた、新しいお仕事の名刺でした。
もらったのは、もうよくおぼえていないのですが、おそらく4,5年ほど前だったのではと思います。
退職後、しばらくして、何かの用事で職場を訪れた際にお会いし、いただいた名刺だったと思います。
名刺に印刷された肩書は、「精神保健福祉士」。
私の職場は、定年前に退職すると結構目立ちます(待遇が良いので、皆あまり辞めない)。その先輩の退職を知ったときは、「専業主婦になるのかな?」としか思っていなかったのですが、新しいお仕事をされているんだということを、名刺をもらって初めて知りました。
事務職からの転職。おそらく、転職当時は、今の私とほぼ変わらない年齢だったのではないでしょうか。
その先輩が何を思い、新しい道へと進むことを決意したのか、そこまで親しい間柄でもなかったため、私は詳しくは知りません。
名刺をもらった当時の私は、今の仕事を辞めることなんかカケラも考えていなかったので、特に何の感慨も持たず、「転職する人もいるんだな」くらいの感想だったと思います。
そして、それから特にその先輩のことを思い出すことはなく、名刺の存在もすっかり忘れていました。
それから数年。
この仕事を定年まで続ける自信がなくなり、退職すること、新しい仕事を見つけたいと思うようになったまさに今、すっかり忘れていたこの名刺が出てきました。
『大富豪からの手紙』に載っていた「シンクロニシティー」という言葉を思い出しました。
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「一見偶然に見える、意味のある必然」を「シンクロニシティー」と呼ぶそうです。
「普段だったら気に留めないようなことが、直感的に「ピン」ときたときは、よく観察してみたり、そちらに行ってみたりするのもいい。」 (『大富豪からの手紙』より)
今日、久しぶりに見たその名刺は、新しい道を探したいと思っている私の背中を押してくれるような、そんな力を持っているように思えました。